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EDTA・GMについて
接着性セメントの接着力や耐久性は、接着する歯の表面性情によって大きく異なります。
象牙質を接着に適した状態に改質することは容易ではありません。
歯質の大半を構成する象牙質はその約30%がコラーゲンと水です。例えて言うなら水で湿ったスポンジのようなもので、接着が極めて困難な物性となっています。
修復物を接着する歯の表面は、そのままでは汚染されています。
1.仮止め剤等のカス
2.血液や唾液、プラーク等
3.象牙質に食い込んだ歯の削りくず (スメアー層)
これらが介在すると、接着は期待できません。
1は超音波スケーラーやポイントで除去出来ますし、2は十分な水洗と刷掃で除去できます。
問題は3です。
リン酸を使えば完全に除去できるのですが、同時に象牙質接着の本命となるコラーゲンは酸で容易に破壊されてしまいます。 コラーゲンの無い象牙質は著しく耐久性が落ちてしまいます。
EDTA
歯のクリーニング剤です。
EDTA(Ethylen Diamine Tetraacetic Acid、日本語でエチレンジアミン四酢酸)
EDTAにはキレート作用があります。
キレートとは「カニのはさみ」という意味です。
EDTAの分子がカニのはさみのように、象牙質に喰い込んだ歯の削りカスであるカルシウムイオンと強く結合し、象牙質本体から分離させます。
酸により象牙質本体やコラーゲンを溶解することのないように特別にPh調整した象牙質接着専用のEDTAにより、歯の削りカスであるスメアー層のみを除去します。
EDTAはエナメル質の脱灰に使用するリン酸のように、コラーゲンには作用しないので最強の象牙質処理剤と言えます。
コンディショニング後はスメアー層が除去され、象牙細管が露出しています。
象牙質内のコラーゲンは健全です。
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