診療の特色と手順
1 . 初めに現状の記録と分析を行います。
初診や新たな治療を行う前には、断層やCT等のX線写真、姿勢や顔貌・様々な歯の咬み合わせの写真を撮影したり、必要に応じて歯型等の資料を採取します。
術前の記録を保存して、それらをもとに疾患状態や原因の診査、治療計画の立案を行い患者さんにご説明いたします。
これらを抜きで行き当たりばったりで治療を開始した場合、誤った診断に基づいた治療や投薬により新たな疾患の原因、つまり医原病を引き起こしたり、患者さんの意に反する治療を行ってしまう可能性がありますので重要な手順となります。
歯科領域の疾患でも多くが口の外にその原因があることは意外と理解されていないようです。
例えば姿勢の写真から咬み合わせの状態が診断できる事等は日常的です。
事故や先天的因子を除いてほとんどの歯科疾患は、患者さんの生活環境と密接に関わっています。
そういった疾患を原因をさておいて闇雲に治療行為に突入する事は、例えるならば暗闇の山道をライトの切れた自動車で疾走するのと似ています。
素晴らしい医療技術や薬も、そもそもの診断が間違えば役にたたないばかりか毒と化します。
歯科疾患をその因果もふくめて正確に把握する事は決して容易ではありませんが大切な手順です。
頸椎や骨盤の歪みが咬み合わせに影響することは、もはや常識となっています。
特に不正咬合、咬合性外傷、顎関節症、知覚過敏、などは不良姿勢や悪習癖、身体の平衡系の失調と関連している事が多々ありますので、口腔のみに限局した歯科医学では原因から解決できない場面が多々あります。
必要と思われる方にはご希望に応じて、身体全体の筋肉や関節のスクリーニングの上で、整復や日常生活指導をお勧めいたします。
(院長は柔道整復師の吉田勧持氏の主催する構造医学研究所で15年以上の研修と実技トレーニングを受けています。)
4. 治療の開始
以上の初期治療、及び生活改善などの養生によって疾患の進行を抑えるめどがつきましたら、治療による歯科修復処置に入ってまいります。(急性症状のある場合は対症処置をプログラムと平行して行います。)
病気の原因が解かり予防の配慮が身についたとしても、現に起きてしまった問題は修復していかなければなりません。
そしてその治療が医原病を作るようでは本末転倒ですので、より緻密な診療を行う事はいうまでもありません。