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歯性上顎洞炎
歯性上顎洞炎は歯が原因の副鼻腔炎(進行すると俗称:蓄膿症)です。
耳鼻咽喉医によると副鼻腔炎の3割は歯原性とのデータがあります。
そのうちの大半を占めるのが根管治療の不備によるものです。
根管治療とは歯髄(俗称:神経)除去後の歯髄腔を消毒後、細菌の温床となる死腔が無い様に緊密に封鎖する治療です。
上顎の歯根と副鼻腔の1つである上顎洞は近接していますので、根管治療の不備による細菌感染の影響を直に受け易いのです。
(こちらの外部サイトが分かり易いです。
https://medical-symptoms.net/archives/2297)
Ralf J. Radlanski/Karl H. Wesker
『グラフィックスフェイス臨床解剖図譜』
クインテッセンス出版株式会社 より引用
副鼻腔の1つである上顎洞は大臼歯の歯根と近接しています。
そのため、歯周病による重度の骨吸収や歯髄腔内の感染により、上顎洞内にも感染が及ぶ事例が多々あります。
副鼻腔炎で耳鼻科を受診された場合、歯科治療に精通した耳鼻科医であれば歯性上顎洞炎の疑いのある場合は歯科へ紹介する事になるのですが、時として、原因歯の処置無しで手術の行われているケースも多々見受けられます。
当然、手術しても治癒はしません。
また、根管治療が不得手なために、歯性上顎洞炎を自ら発症させてしまう歯科医師も現実には少なからずありますので、その現状を知る耳鼻科医はやみくもに歯科の受診を勧める気が起きないのかも知れません。
以下に、
根管治療の不備による症例2例
歯周病が原因の症例1例をご紹介します。
根管治療と外科処置併用により改善した症例
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